日本画とは線と色である

【解説】
そもそも日本画の定義というのは存在しない。
というのも白を基調にして空間を出したもの、華やかな花鳥風月をテーマにしたもの、墨や単色で動と静を表現したものなど型が決まっていなく、画材などの制限もない。
日本人（若しくは日本にいる者）が書いたもので感覚的にそれらしければ日本画なのである。

しかしながら西洋画風で表現されている物の中では雰囲気や特殊な構図だけであとは中身は…というものも少なくなく多少の疑問を覚える事も少なくありません。
墨だけなら中国の山水画と重なる事も否定は出来ず、中途半端な位置であるとも言えます。

ここまで指摘されるような部分が多々あると思いますが、個人的に定義付けするならば次のようにしています。
１，動いている物を瞬間的に躍動的に映し出す技術、記録
２，静物（建物や植物）を生活があるように映したもの
３，静物（山麓や風景）を情緒的に描きだしたもの

写真とかぶるので今となっては写真でも良いのですが勢いや情念などが消されちゃうんですよね。
そして妙に生々しく生活感があっても駄目であり、簡素化されなければ（消す所は消さなければ）ならない。

簡略化に一番適しているのは線であり、単純な水彩の濃淡の彩色である。
中でも線というのは一部の文化に近く、線の種類の中にも名前があったりするようです。
海外では単純化の方が注目を浴びていますが、そうなったのは線と色が綺麗だったからでしょう。
他国と比べ色の認識率が高く、色の名前が多い日本において意識はなかったとしても段階的な色と適切な組み合わせを自然のうちに身につけたからとも言えます。

定義は各々が決める事であっても、それらしいものが描きたいなら線と色を中心とすればそれっぽく見えるのでは無いでしょうか？
それに自分が一番良いと思った見本があればそれなりに雰囲気は近づける事も出来ますしね。