2007/04/09 (月) 日本画とは線と色である

【解説】
そもそも日本画の定義というのは存在しない。
というのも白を基調にして空間を出したもの、華やかな花鳥風月をテーマにしたもの、墨や単色で動と静を表現したものなど型が決まっていなく、画材などの制限もない。
日本人（若しくは日本にいる者）が書いたもので感覚的にそれらしければ日本画なのである。

しかしながら西洋画風で表現されている物の中では雰囲気や特殊な構図だけであとは中身は…というものも少なくなく多少の疑問を覚える事も少なくありません。
墨だけなら中国の山水画と重なる事も否定は出来ず、中途半端な位置であるとも言えます。

ここまで指摘されるような部分が多々あると思いますが、個人的に定義付けするならば次のようにしています。
１，動いている物を瞬間的に躍動的に映し出す技術、記録
２，静物（建物や植物）を生活があるように映したもの
３，静物（山麓や風景）を情緒的に描きだしたもの

写真とかぶるので今となっては写真でも良いのですが勢いや情念などが消されちゃうんですよね。
そして妙に生々しく生活感があっても駄目であり、簡素化されなければ（消す所は消さなければ）ならない。

簡略化に一番適しているのは線であり、単純な水彩の濃淡の彩色である。
中でも線というのは一部の文化に近く、線の種類の中にも名前があったりするようです。
海外では単純化の方が注目を浴びていますが、そうなったのは線と色が綺麗だったからでしょう。
他国と比べ色の認識率が高く、色の名前が多い日本において意識はなかったとしても段階的な色と適切な組み合わせを自然のうちに身につけたからとも言えます。

定義は各々が決める事であっても、それらしいものが描きたいなら線と色を中心とすればそれっぽく見えるのでは無いでしょうか？
それに自分が一番良いと思った見本があればそれなりに雰囲気は近づける事も出来ますしね。

2007/03/28 (水) 感覚的に理解している事ほど説明が難しい

【解説】
動物を飼っている人の中で一見してオス、メスが分かるのに理由を問われると余程の特徴がない限り説明が出来ない。それは感覚的に理解をしているからである。

実践から入った人にはそういう人が居て、絵描きの場合上手い人が多い。
途中で挫折したり、壁を乗り越えられなかった人や成長途中の人には理論優先になりがちになる。
途中の人には評価や研究というものは良い所を壊してしまいがちになりがちで伸び悩む。
しばらくすれば伸び悩んだのが嘘のように急に吸収できるようになるのだが、大抵はここまでで終わってしまう。
やめた場合は教える側に回る。（論述や研究心と少々の嫉妬心があれば特に）


感覚的に分かる人にとっては論述できる人はうらやましいけれど、
説明できる人は技術や感性をうらやましいと思うはずである。

とどのつまり、どちらも存在できて良いバランスが保てるのです。

2007/01/25 (木) ８０％出来てようやく意図というのが相手に分かる

【解説】
円を描く事を頭に入れながら次の言葉を読んでみてください
「２５％では何か分からない、５０％ではまだブレる、７５％でも相手によってはねじ曲がる。」

誰かが物語の世界をモチーフにする場合、必ず原作者と思想が食い違う展開で書かれる事が多い。
だが不思議な事に話が１００％書かれている場合と５０％書かれている場合では話の展開が大きく異なる。
１００％→設定に忠実な話
　５０％→アナザーストーリー
になりやすい。（推理系統では例外あり）
そこで何パーセントなら話に変質が起こらないのか？
８割、９割まで行けば（大抵は仕上げ段階に近いのだけれども…）誰が見ても明らかに違うという違和感を感じるようになるのだ。
特徴はありつつも本物とは違うと分かる人が完成度にしたがって多くなるようにみえる。

アナザーと本物のどっちが面白いかというと
「時に偽物は本物を凌駕する」、「悪貨は良貨を駆逐する」、「やはり本物には本物の匂いがある」
読んだとき一番しっくりした言葉が答えなのかもしれません。

2007/01/16 (火) 言葉は鵜呑みにしない

【解説】
親切の中には蹴落とす為の罠である場合もある。
逆に妨害も立場上の配慮である事もある。

真の答えは自分の判断で行うものであり、甘言に動かされるようではまだまだと言える。
相手が知らないのではない、自分が知らな過ぎるのだ。
反論もSo I see（そう、知ってるよ）で返されたらたまったものでもない
（けれど反論の為自分が勉強した事は無駄ではない事に気が付ければ立派なのだけれども）

2007/01/16 (火) デッサンをする時は自分の手や指を描くと良い

【解説】
デッサンの中で最も難しいのは人間の顔なのです。
人間である以上同じ人間の顔は誤差があれば違和感を覚えるそうです。（ただし同じ人種の場合に限る）
似顔絵をちゃんと描けるという事は正確な模写が出来るという事に近いのです。

次に難しい所は人間の手足。腹筋や胸はちゃんと描けるけど当たり前な部分だけに手を抜く場所です。
当たり前こそ難しく、中途半端に分かっている部分だけに思いこみが多いのです。
思いこみで描かない事こそ基礎を勉強する最も重要な事なのです。
指にした理由は最初が変でも挫折しにくいでしょ。